花の浮島|北の礼文、南の甑
甑島の観光に関わる意見交換会に出席しても、もう15年以上おんなじ話してますよ。あーそれ前回も言っていたのにな、が改善されない。数年もすれば担当者が代わり、また同じことの繰り返し。観光事業に関わる島民側の顔ぶれは15年、大きくは変わらない。さすがに、そろそろ疲れてきている自分がいる。
これは、どの会議もそうなんだけど、担当する人が悪いのではなく、「なんとなく」会議を開くことが目的だから、会議そのものの設計が悪いのだと思う。
「甑島には何がありますか?」「誰をターゲットにしますか?」「旅行会社としてどう思いますか?」「地域の課題は何ですか?」という問いを往復してきた。ところが、その問いに答えるための前提となる甑島は、観光によって何を実現したいのか?が決まっていないのか、島民が知らないのが、いちばんの問題のように思う。
問われているのは、本当はわたしたちなのだ。

毎回いい話は出る。でも、何も積み上がらない。
さらには、島の中でリスクをとって、借入もして実行していく事業者の思いと
観光行政に関わる人たちの思惑は、意識もリスクの取り方も、スピード感も
なんとも噛み合っていかない。
再三、これから大事になるのは、Sightseeingではなく、Sight-beingだと(ON THE TRIP の成瀬くんもよく言っている)。私はこのところ言い続けていても結局この「会議体」のありようでは、変わらないのだと思う。自分が「やる」以外は。
うまくいかない原因は、簡単。
手段が目的化しているから。
本来なら、「こういう甑島をつくりたい」「そのためにこういう客層と関係をつくりたい」「その顧客に強い旅行会社を呼ぼう」の順番だけれど、あの手この手で、なんとか「旅行会社を呼びました」「甑島どうでした?」「誰を呼べばいいと思います?」「甑島には何があります?」「また、別の旅行会社を呼びましょう」招聘回数だけが積み上がっていく。
送客が目的だから仕方ないのかもしれないけれど、、議論が「送客」の呪縛から抜けていない。今回の会議にご参加してくださった旅行会社の方々が改めてありがたいことを言ってくださいました。(ずっと毎年のように、どこかの旅行エージェントが、言ってくれているけれど、、、)
「大量送客には向かない」
「10人以下くらいではないか」
「長期滞在」「野鳥・地質・植物」
「地元の人との交流」
「何もないこと、不便であることが価値」
「一回来て終わる観光地にしない」
「良質な旅行者との関係」
ここまで材料が出ていても、次のステップには、移行しない。
甑島は、「年間観光客数を最大化しない観光地を目指す」

くらいの仮説を置いて真剣に取り組めば良いのだけれど、、、ところが再び会議を始めると「ターゲットは?」「繁忙期は?」「団体は?」「補助金は?」へ戻ってしまう。せっかく未来の甑島の観光像の輪郭が見えかけているのに、毎回旅行商品の造成の話に小さく畳んでしまっている。
議論するにも甑島観光全体の「データがない」。それをちゃんと土台にして議論しないといけないのではと切に思う。甑島観光の最前線でやっている私たちが、甑島の観光入込客数をきちんと知らされていない。これは観光戦略以前の問題です。これでは、共通言語が生まれない。観光に関わる事業者(組合員や会員など)には、毎年共有されるべきものではないのかなと、一民間企業としてはそう考えるのはおかしいのだろうか。毎回ことあるごとに言ってるけど。
そうして、長いこと甑島では、「誰も決めない」観光政策が続いているように感じてる。自分なら、軌道修正するか、一度止めて、組み直す。観光客を何人呼ぶかではなく、「◯◯◯◯年、観光によって甑島がどうなっていたら成功なのかを議論したい。
来島者数ではなく、滞在日数。
滞在日数だけでなく、再訪率。
再訪率だけでなく、関係人口。
消費額だけでなく、島内循環額。
それを「どんな来訪者と関係をつくるか」が大切。
甑島に向いているのは、
・自然、地質、植物、野鳥などを深く楽しむ人
・旅慣れた30〜60代
・地域文化や暮らしへの関心が高い人
・2〜7泊できる人
・少人数旅行者
・リピーターになり得る人
だと毎回言われているし、
大型バスで20〜40人
名所を効率よく巡る
1泊2日
安価で短時間で大量消費
という観光とは相性が悪いことも耳にタコができるほど言われてきているが、甑島全体の観光政策は果たしてどうだろうか。
「自分の田舎に帰るように毎年来る」
「疲れたから癒されに帰る」
「1週間滞在する野鳥客」
「外国人が2か月いるような観光」
「不便だから長く滞在する」
こういう表現も全部、同じ方向を向いている。つまり甑島の観光は、
「見る観光」だけではなく、「滞在する観光」への予兆なんだと思う。そうして、旅行する島から、帰る島へなっていくのだと思います。ありがたいことに、すでにisland company. には、この夏も多くのお帰りなさいとただいまが溢れていた。本当に、幸せなことだ。
「観光商品を増やす」「ツアーを何人送るか」「補助金が使えるか」「ターゲットは?」「島の魅力は?」という議論ではなく、「甑島がどう生き残り、どんな暮らしを残すのか」という階層から考えている私とは、いつまでも噛み合わないのだろう。
もういい加減、「意見交換会」だけを繰り返すのはやめた方がいい。
あってもいいのだけど、、、
そろそろ「決めよう」
さてさて、タイトルにした
花の浮島、
北の礼文、南の甑

そんな風な広域の視点とマーケティングの視点を持ち、観光プロモーションができる日が来るといいな。と、今日もぼんやり考えている。甑島は、まだ誰にも知られていない。漢字も書けない、読めない、イメージもできない小さな島なんだと再認識してほしい。
弱者は、合気道のように、礼文島のお力を借りましょう(笑
礼文島も東京から行くには、同じくらいアクセス良くないので言い訳できないね。
ただし、甑島を礼文島みたいに!という意味ではないのでお間違い無く。。。
と言うわけで、今年も礼文島に行ってきます。
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