COLUMN 社長コラム 2024.04.13

お金でサービスを買って都会で暮らす方が楽だよなと思う。

そりゃぁ、お金でサービスを買って都会で暮らす方が楽だよな。と思う。

-以下長文-

私たちの暮らす甑島の里集落の自治会には、小組合という地縁制度があり地域活動を円滑にするために、自治会とは別にエリアが細分化されています。

昨年度までは、自治会の体育部長でしたが、今年からは、小組合長になり、広報誌の折り込み作業と一軒一軒への配布を月に1・2回。それから、約2ヶ月おきの自治会役員の定例会への出席と、毎月第3日曜日には、海岸清掃の担当と年度はじめの河川清掃(呑み講含む)の準備。それから蚊の防除作業への参加と、年2回の漁港周辺の伐採作業に総会出席、小組合の常会運営、加えて自治会費や赤い羽募金、みどりの羽募金の寄付よびかけやら。

さらには、甑島旅館組合の役員、地域移定住・雇用創造協議会、観光振興部会、消防団活動にときどき商工会。偶数月には伝統芸能の保存会の稽古。さらには、こどもたちの学校行事への出席と、たまの父親業。名ばかりの薩摩川内スポーツ推進員と、時折やってくる冠婚葬祭にリスケの日々。

これらをやりながら、東シナ海の小さな島ブランド株式会社、島守株式会社、SANROKU株式会社 3社の会社経営をしながら鹿児島離島文化経済圏 リトラボの運営をしている。もう、なにが本業かもわからない。

こうしてみると、自分の時間というのは、
仕事の時間ぐらいなもので。
仕事が休憩時間に思えるときがある(笑)

正直言って、現役世代ではないひとや時間にもう少し余裕のありそうな?ひとがしてくれたらよいのになぁという感情も湧き上がらないでもないけれど、なにやら世の中はそうはなってないみたい。

そりゃぁ、「お金」でサービスを買って都会で自分のことだけ考えて暮らす方が楽だよな。とは思うし、子どもたちに対して島は大変だから戻ってくるなという親心もわからないでもない。

それでも私は、島に帰っておいでと言える自分ではいたいし、帰りたいと言ってもらえる楽しそうな暮らしをつくり続ける側にいたいし、まだまだ島に、幸せな役割と出番をつくる会社を育てていく。

ますますひとが減っていく中で、役割や仕事は簡素化して整理していかなければならないと思うのだけれど、机上の数字だけをみて統廃合や集約、組織の再編を進めていては、島民の感情は置き去りになっている。

ここに住み続けたいという人がいなければ、
いずれ島は無くなるのだ。

行政サービスも低下したと言われている昨今、終わることばかりの日々のなかで、代替となる新たなサービスやそうした存在もほとんど生まれてはいない。この先の島民の頼りになるものは、なにかと考え事業をつくる毎日。

価値経済ではなく、信用経済が主とする小さな島では、お金は単なる紙切れだと思える時がある。この先の地域の未来は、自らが受けるものを、自らでつくりだすことが増えてくる。お金で買えないものが、ひとの感情を動かす。

わたしはいまのところ政治家ではない。この先も、たぶん。
私が事業家であるなら、この島に、小さいことや少ないことを肯定するような事業をつくらねばならないと思う。誰のため、なんのため、自分のため。これからやってくる社会のため。それを助けることになるだろう。

今をいきてる島民感情の置きどころと、身体的な生活圏としてのエリア策定。人とひと、人と自然。ここにある関係性のデザインと長期的な視点をもったビジネスを忘れてはならない。

同時に、いま面倒だなぁと思っている地域活動ひとつひとつが、これまで何を守ってきたかも想像してみる。顔と名前のみえる集落コミュニティを維持して、日常の安らかな対話を生み、ここに生きているという安心感と幸福感をつくってきたこと。お金で買えない良質な日常と関係性を、この先も失わないように、いかにあるべきかを実行していく。

災害時、助け合うこと。支え合うこと。助けてと言えること。
普段のこれがいかに大切かを私たちは、学んできたはず。

まぁしかし、いろいろ大変だわ、、、
やっぱり変わって欲しい。
もしくは、郵送して欲しい。笑

書いた人

山下 賢太

代表取締役

山下 賢太/ KENTA Yamashita

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