ものをつくる、ひとと出会う|沖永良部出張レポート

こんにちは。Island companyで1年間インターンをしている、木崎愛菜(きさきえな)です。竹島のレポートから約2か月。今回は新商品開発で沖永良部島に行ってきました!ちなみに7月に入り釣竿を購入しました。最近は仕事終わりに海で泳ぐか、釣りをするかで、ほとんど毎日海で過ごしています。



island companyは、2年前に沖永良部にサテライトオフィスを立ち上げ、そこから地元の方々との信頼関係を築いてきました。そして、沖永良部のプロジェクトを形にしようと動き出したのが、ようやく最近のことです。今回の出張はそんな「はじまりのものづくり」の現場に同行しました。まだ、具体的な内容は言えないのですが、島の人たちの暮らしや空気に触れながら、その土地にふさわしい形を考えていく、そんなプロジェクトが少しずつ動き出しています。
赤土の島へ
沖永良部島までは鹿児島空港から飛行機で約1時間。人生初のプロペラ飛行機でドキドキしました。

島に降り立ってまず目に入ったのは赤土の畑。この赤土は沖永良部島の他に喜界島、与論島、長島でも見られるもので、島の地形にある隆起サンゴ礁が琉球石灰岩になり酸化したものです。海からそのまま隆起した土地で、養分ミネラルが豊富=栄養価が高い土。


この赤土が、農業アイランド沖永良部島の元気の源なのです。そしてなにより目に留まったのは一面に広がるひまわり畑。空と海と赤土とひまわり。このコントラストがなんとも気持ちよくて、ドライブするだけで元気が湧き出てくるような島でした。
出会った農家さんたち

桑農家・窪田さん
焼けた肌にさわやかな笑顔。勝手に高齢の方を想像していたのですが、まさかの27歳。窪田さんはUターンで島に戻り桑栽培をスタート。「100年後には、沖永良部の大きな産業になっていてほしい」とまっすぐな目で語る姿がとてもかっこよくて。また、桑だけではなく、商品開発や空き家活用など島のためにできることにたくさん挑戦されています。そして何より人の話を聞く姿勢が本当に丁寧で素敵な方でした。

じゃがいも農家・大野農園
とっても柔らかな雰囲気のご家族。お話から伝わってきたのは「土づくりへのこだわり」。石灰でpHを調整したり、そうか病というじゃがいもに出やすい病気を防ぐための工夫がされていたりと、目には見えにくいところでの丁寧な積み重ねがありました。「おいしいって言ってもらえればそれでいいんです」と、まっすぐな気持ちで語る姿に、ものづくりの本質を教わったような気がしました。

毎年違う気候、違う土の状態にあわせて、手をかけ、心を配って作っていること。おいしさの裏側には、こうした目に見えない努力や自然との対話があるんだなと改めて感じました。

上村ファーム
ここでは栗カボチャをいただきました。食べた瞬間にスイーツかとおもったほどほくほくで甘く、驚くほどの美味しさでした。こちらもご家族で営まれている農園ですが、考えられないほど大きな畑を少数精鋭で管理されていました。作業スペースや道具、倉庫はきちんと整理整頓されていて、すみずみまで行き届いてるその様子に、農業に対する愛情や誇りを感じました。


また、「地域に根差したものをつくりたい」と話されていた時、ふと、ケンタさんもまったく同じことを言っていたなと思いだしました。この場所にあるものを活かして、ここにしかないものをつくるという考えが重なり、なんだか親近感を感じました。ただ作って売るのではなく、この土地の恵みを大切にしながら、この場所だからできるものづくりに真摯に取り組む姿に、深く共感しました。
島で働く人たちとの夜
夜は農家さん以外にも、島で働く方々にお会いしました。たくさんの会話の中で印象だった言葉があります。「なんでこんな仕事しているの?なんでそこに行くの?って聞くのは失礼だよね。」というお話。最初はちょっとびっくりしたけれど、あとからじわじわと胸に残りました。たしかに、私も日常でつい聞いちゃっていた、、と反省。
同時に、その質問は、聞く側の不安や分からなさからきているのかなとも思いました。ちょうど今、就活のことやこの先の働き方のことを考えるタイミングで、「自分は何がしたいんだろう」「どんな仕事が向いているんだろう」って自分自身に問いを投げかけている時期でした。
だからこそ自分の軸で選んで動いている人たちの姿に強く心を動かされたのだと思います。正解を探しているのではなく、自分の好きややりたいに誠実に動いていること自体がもう答えなんだと気づきました。「自分は何が好きなんだろう?どんな風に関わっていきたいんだろう?」と自分自身を改めて見つめなおすきっかけにもなりました。

出会った皆さんが、大学生としてではなく「island companyの木崎愛菜」としてまっすぐ接してくれたことも、すごく嬉しく、ありがたく思いました。だからこそ、その好きややりたいをちゃんと見つけられたときは、今度は自分の言葉で話にいきたいと思いました。
最後に
今回の出張を通して改めて感じたのは、「ものをつくる」って、すごく大変だけど、すごくまっすぐな行為だということ。私も普段、島でおとうふをつくっています。
材料の状態や天気で少しずつ変わる仕上がり。その時々で試行錯誤しながら丁寧にかたちにしていく作業。今回お会いした農家さんたちも、土に触れ、季節を感じながら、その時の最善を尽くして「育て、つくっている」。つくるものは違えど、ものづくりの根っこには共通する部分がたくさんあるんだなと気づきました。
island companyと沖永良部島の皆さんとの新商品開発、次の情報公開まで楽しみにお待ちください!