island company インターン奮闘記 #17 島のビジネス起業塾開催レポート

こんにちは、island company. インターンの岡田 栞那です。2024年10月から約4か月間、鹿児島離島地域において、新規起業や事業の拡大を目指している方を対象とした実践型オンラインビジネススクールを開校しました。
その名も『~あなたの航海図を描こう~島のビジネス起業塾』

広い海域の中で、自分が実現したい未来や創りたい島を目指して、自分だけの航海図を描く。新しいチャレンジや起業には、正解はありません。その伴走をスクールが担うことで、島で挑戦したい人の航海を加速させたい。そんな想いがありました。
私自身も、いずれは生まれ育った島で起業したいと思っている一人だからこそ、自分がまさに参加したいスクールの運営に携われたことは、貴重で学びの多い経験になりました。
キックオフ交流会

どんな23名と共にスクールを駆け抜けるのか。うまくファシリテーションができるのか、色々な意味でドキドキのキックオフ。
既に島で事業をされている方、今は都会で働いているけれども島に何か貢献したいと思っている方、今住んでいる島で新たな挑戦へ一歩を踏み出そうとしている方。
フェーズや分野は違っていても、皆さんから島に対する愛と「やってやるぞ」という熱意を画面後しながらに感じ、どんな4か月になるのかとても楽しみになりました。
全三回の講座は、島で起業したいと思っているいち当事者の私が中心になり、実際に起業するにあたってどんなことをスクールで学びたいかを考え、テーマを設定。
限界集落や過疎地域、離島で事業をしている方々を講師としてお招きし、テーマに沿って講座を行って頂きました。
オンライン講座①「ここにあるものを見つける」

初回の講座は、広島の限界集落で米粉ドーナツ専門店と農村リトリート宿を複合させた「田万里家」を営みつつ、農村での起業家育成に取り組まれている井本さん(通称 いもっちゃん)にお話しいただきました。
情熱的でパワフルないもっちゃんのお話に皆さん圧倒されつつも、自分の挑戦心や志に火をつけられた様子でした。
限界集落を“無限大集落”として捉え、人口320人の集落に行列のできる米粉ドーナツ専門店をつくっている大先輩がいる、その事実こそが、これから島で挑戦したい人の背中を押すのだろうと思います。
オンライン講座②「起業における仲間の集め方」

第2回目の講座では、香川県三豊で、実家のショッピングストア今川の手伝いから始まり、多数のプロジェクトを三豊の人々を巻き込みながら展開している今川さんをお招きしました。
なぜ今川さんは、多くの人を巻き込み、仲間を集めることができているのか。
その一つの答えにもなりそうな、「出来ないことはできないと言う」という今川さんの持つ親近感と巻き込まれたくなる人柄が講座の中でも滲み出ていました。
しかし、多くの人を巻き込むことは決して楽しいことだけではなく、色々なリスクや難しさもあります。だからこそ、「自分がリスクを含めて責任を取ると決めた上で周りを巻き込む」という今川さんの強い覚悟と責任感も同時にあってこそなのだと、気づかされました。
オンライン講座③「創業初期のサバイバル術」
第3回の講座では、受講生により近い先輩お二人をゲストに迎えました。

屋久島で特産みやげ品店『ぷかり堂』を経営しながら、離島間連携で農水加工品やクラフトビール等をプロデュースしている荒木さんと口永良部島で水産加工場『港のとと屋』にて、素潜り漁で獲った魚介を使った加工品を製造している池添さん。
夫婦関係や資金調達まで、様々な創業初期のリアルエピソードを聞く中で、受講生の皆さんも一気に現実味が増した様子でした。
師匠と弟子のような関係の荒木さんと池添さん。創業初期をサバイバルしていくには、頼れる先を見つけることも非常に重要だと池添さんが仰っていたのを聞き、この起業塾もその一つやきっかけになれたらと思いました。
中間プレゼン&交流会

前半は、鹿児島離島で既に事業をやられている先輩方にお話をして頂きました。特に、人口50人の竹島で20年ぶりとなる日用雑貨・食料品店『竹のいえ』を経営している山崎さんの「島ビジネスではなく、島と共にあるビジネス」という言葉が受講生の心に響いたようです。
そして後半の中間プレゼンでは、全3回の講座での学びを踏まえてブラッシュアップした事業プランを発表。プレゼンが初めてという方も少なくなく、持ち時間3分・オンラインという限られた環境の中で自分の事業の内容や想いを伝えることの難しさを痛感していました。
最終プレゼンテーション
そして、メンターによる個別コーチングを経て、あっという間に最終プレゼンテーションの日に。
スクールを通じて、事業プランが具体化された方もガラッと変わった方も、事業の根底には、自分は “どう生きたいか” “どんなことを大切にしたいか”そんな想いが見えました。
受講生の事業プランを聞いていると、鹿児島の島々が今後どのように守られていくのか、変わっていくのか、そして面白くなっていくのか、本当にワクワクしました。
ゆくゆく故郷の島で起業をしたいと思っている私にとっては、鹿児島の島々でこれだけ起業・創業を志す熱い挑戦者たちがいるのだということが何よりの驚きでしたし、そんな方々の存在と奮闘に、終始刺激を受けていました。
そして、運営側として皆さんと共に走り切ることができ、大きな達成感とスタートラインに立った感覚を感じています。

想いだけでは、大切なものは守れない。しかし、想いがなければ何も始まらない。
起業塾で培った知識や経験、そして出会った仲間たちと共に、島の未来を創る。
航海はここからです。
岡田 栞那 プロフィール
愛媛県の沖合に浮かぶ人口約2000人の島「中島」の有機農家のもとに生まれ育ち、外国人技能実習生の受け入れに関わる中で現状の体制に課題感を持つ。現在は、「島全体として技能実習生を受け入れ、彼らを巻き込んだまちづくりの事業を立ち上げたい」というのが目標。2024年春の鹿児島離島文化経済圏主催の「離島を体感するかご島インターン」をきっかけに甑島へ。island companyが描いている未来を一緒に創りたい、もっとこの人たちが考えていることを知りたいと思い、2024年6月より4ヶ月のインターンをスタート。