island company インターン奮闘記 #13
今週は、約2週間にわたる種子島・沖永良部島の出張を終え、甑島の日常に戻った一週間でした。しかし、私の中では、そんな日常のへの向き合い方も少し変わった気がします。
あらゆる気づきが事業の種になる
コシキテラスでのこと。お客さんの人数や仕込みの関係で早い段階で提供できるランチが終わったことがありました。お客さんには申し訳なかったけれど、このくらいきれいに食材を使い切った方がロスがなくていいのではないか、とふと思いました。
飲食店が少ない島だとこうやって食べるものが無くなるととても困るけれど、飲食店が溢れている都会では、どこかのお店が完売しても他のどこかのお店は絶対にまだ提供できるものがあるはずです。ということは、エリアの飲食店が連携して各店舗の在庫をリアルタイムでシェアし、在庫を抱え過ぎずに自分のお店が完売してしまったとしても他のお店をお客さんにご案内することができたら、エリアとして廃棄する食品を少なくすることができるんじゃないかと思いました。
もちろん実装するとなった場合、現実的な課題はたくさんあると思いますが、“問題を肯定する”バックキャスト思考で、提供するご飯がなくなったことを『問題』として捉えるのではなく、『可能性』としてプラスな方向に捉えて考えてみることができました。
このように考えると、生活の中のあらゆる出来事が可能性の種になり、事業の種になりえます。
人口50人の集落へ
また、休みの日には初めて自分で運転をして下甑に行きました。誰かに乗せていってもらうのとはまた全然違い、くねくねの山道を下っていると自分で運転してるのに酔ってしまうほどでした。
人口50人の瀬々野浦集落のコミュニティセンターの職員の方や、集落唯一の商店のおばちゃんとお話しして、なぜか自分のホームに帰ってきたように心が温かくなりました。
この集落のコミュニティセンターでは、少なくとも月に一回は住民で集まってカラオケ大会をしているようで、立派なカラオケの機械がありました。また、今月末には地域の運動会があり、当日は集落の外からも参加する人がいて、参加者が瀬々野浦の人口の倍にもなるそう。これまでの写真を見せてもらったら老若男女関係なく本当に色々な人が参加していて、カラオケも然り、皆さん自分たちで楽しみをつくっていて、『ハレの日』を大切にしてることがとても伝わってきました。
インターン期間の成長を再確認
週の後半には、岡山でお世話になっている皆さんが甑島に来島。自分がこの3カ月で習得した料理や甑島に関しての得た知識を生かしてアテンドできたことが、自分のインターン期間の成長や学びや再認識する機会もなり、それを見てもらえたことも含めて感慨深かったし、何より嬉しかったです。FUJIYAの朝食&夕食も振舞い、知っている人に食べてもらうのはまた全然違った緊張感があったけれど、自己採点で70点はつけられるくらいにはうまくできたかなと思います。
週末だけ営業している山下商店のバルでは、オープンカーで島をドライブしたり、オソノの塩パンと自分で入れた珈琲でモーニングをしたりと、島時間を存分に楽しんでいる島のかっこいいおじさんに出会いました。
「島の時間をこうやって楽しんでいいことを島の人にも知って欲しい」「島で稼いだお金は島に落とす」「何より自分が楽しんでいる姿を見せることで若者が帰ってきたくなる雰囲気をつくりたい」と、熱く話してくださいました。周りにとらわれず自分のわくわくすることをやっている姿がキラキラしていたし、なんだか種子島や沖永良部島で会った島プレイヤーの方と近しいものを感じました。いわゆる起業家・事業家だけではなく、何より自分が一番島を楽しみ、島の未来を考えている方は純粋にかっこいいです。
島の外で得た気づきや学びを少しずつながら日常に結びつけ、島の日常に息づいている豊かさや可能性、出会いを感じた今週は、ハードな日々ながらも私の心には心地いい風が吹いています。
岡田 栞那 プロフィール
愛媛県の沖合に浮かぶ人口約2000人の島「中島」の有機農家のもとに生まれ育ち、外国人技能実習生の受け入れに関わる中で現状の体制に課題感を持つ。現在は、「島全体として技能実習生を受け入れ、彼らを巻き込んだまちづくりの事業を立ち上げたい」というのが目標。2024年春の鹿児島離島文化経済圏主催の「離島を体感するかご島インターン」をきっかけに甑島へ。island companyが描いている未来を一緒に創りたい、もっとこの人たちが考えていることを知りたいと思い、2024年6月より4ヶ月のインターンをスタート。