お知らせ REPORT 2024.08.25

island company インターン奮闘記 #10

お盆が終わり、一緒にシェアハウスをしていたインターン生やお手伝いに来ていた方も島立ちをし、夏の賑わいが一気に落ち着いて、秋に向かおうとしています。しかし、暑さはまだまだ健在です。

今週は、インターンの中間発表を行いました。

発表資料を作るにあたって、週報や毎日つけていた日記を見返していると、感覚としてはあっという間だったけれど、波のように自分の外でも内でも色々なことがまぐるしく起こっていたのだということをに改めて気づかされました。

この2ヶ月、島の拠点での仕事から視察の同行など色々なことを経験させてもらいましたが、大きく3つの仕事に長期的に関わってきました。

 

コシキテラスで甑島を訪れた人を出迎える

island company が運営するレストラン『コシキテラス』での勤務が1日の大半を占め、ここでの仕事との向き合い方に葛藤していたこともありました。目の前の仕事にいっぱいいっぱいになってしまい、訪れたお客さんとプラスαのコミュニケーションを取ることができていませんでした。しかし、一緒に働くほかのスタッフの方のお客さんとの関わり方やお客さんとの距離が近い店舗での接客を見たときに、会話を楽しむ余裕を持てていなかった自分に気づきました。それから、少しずつお客さんと温度感のあるコミュニケーションを取れるようになり、コシキテラスでの仕事が自分のものになっていっている気がします。

FUJIYA HOSTELでお客さんの特別な時間をつくる

FUJIYA HOSTELは、お客さんと関わる時間が長く、距離が近いです。だからこそ、お客さん一人一人の物語に触れることができます。

誕生日に、ずっと行きたかった甑島に来て、寝るのがもったいないくらい素敵な時間だったと宿帳に書書いてくださった方や、下甑島にある手打診療所がモデルとなった『Dr.コトー診療所』のファンで甑島を訪れ、日本中の島を制覇することが目標だという方に出会いました。

ベットメイキングや食事の提供など毎日やることは同じでも、ゲストにとってはオンリーワンの特別な時間です。そんなお客さんの物語に触れるたびに、私もその時間を少しでも支えられているのかなと心がまあるく、暖かくなりました。

コシキテラスやFUJIYA HOSTELで働く中で、“人との丁寧なコミュニケーション”の難しさと大切さを感じました。公私関係なく、人とのコミュニケーションは日常の中で当たり前過ぎて、意識をしたことがほとんどありませんでした。しかし、“お客さんと店員”という関係にとどまらず、“一人の人と人”としての関わりにそこに温度を感じたからこそ、目の前のお客さんとの会話や関わる人一人一人とのコミュニケーションを丁寧に取っていきたいです。

リトラボオンラインスクールの企画を担当

地域デザイン事業部では、鹿児島離島文化経済圏(=通称リトラボ)の企画のひとつである島で起業創業を目指す人に向けたオンラインスクールのプロジェクトを担当しています。私もゆくゆくは自分の故郷の島で起業したいと思っている“当事者”だからこその視点やアイデアを存分に生かせるこの機会は、island companyでの役割やできることを模索していた私にとっては願ったり叶ったりの仕事です。主体的に仕事を進められる幸せとそれに伴う責任感を常に忘れず、運営側としても、いち受講生としても楽しみながら、島で挑戦したい人のギアになるようなスクールをつくっていきたいです。

地域デザインの仕事に関わっていると特に、地域に関わることや地域で何かを創り出すことは、信頼や関係性の上に成り立っているのだということをひしひしと感じます。それは、今までケンタさんや会社が築き上げてきた長い道の上に今があるということです。だからこそ、長い目で、すぐに見える成果にこだわらず、着実に丁寧に積み重ねることを忘れないでいたいです。

これは、2月に3泊4日の「かご島インターン」での際に話を聞く中で感じたことですが、今回は自分が仕事に関わる中で実感を通じて少しだけ理解できた気がします。

2ヶ月で自分が作り出したものも振り返ってみました。

毎週のこのインターン奮闘記とその種である毎日の日記は、継続が苦手な私にとっては何よりの成果物ではないかと思っています。

やっぱり私は“書くこと”が好きだなと実感すると同時に、これからもこの奮闘記を通じて自分の言語化能力を磨いていきたいです。直感的に自分の中から溢れ出てくる言葉と何度も書き直す中で純度が上がるしっくりくる言葉のどちらも大切に、自分の言葉を紡いでいきます。

おてつたびで来ていた城さんと作った『こしきのオドロキ』や、繁忙期に向けて作ったコシキテラスの提供マニュアルも、少しでも会社や地域にプラスになっていたら嬉しいし、私が甑島を離れた後も引き継がれていくといいなと思います。

このように振り返ってみると、「私にできることはなんだろう」と自分のできなさや会社の中での役割に葛藤していた2ヶ月でしたが、着実にできたことや積み上げてきたものはあるんだなぁと。

そんな日々の中で、在りたい自分の姿が少しずつ見えてきた気がします。

私は、日々の豊かさや手触り感などをミクロに自分の手の中で大切にしながらも、マクロな視点でチェンジメーカーとして社会へ新しい価値を提示していきたいです。そしてこれら2つは決して乖離したものではなく、むしろ緩やかに繋がっています。そこから『実感と温度のある確かな未来』が生まれてくるのではないかと。

そんな私の原動力は、義務感でも承認欲求でもなく、自分の中から湧き出るわくわくです。何より楽しいからやらずにはいられない・時間を忘れて没頭できる、そんないきいきとしたエネルギーを原動力にして、在りたい自分をつくっていきたい。私の好奇心は、場所や人、コトに眠っている価値を発掘し、それらを磨いたり、形を変えたり、時には何かを加えたりして、その価値を最大化することにあります。それは地域であったり、外国人技能実習生であったりと対象は様々ですが、その根底に共通する部分が見えてきました。

このように、これまでの2ヶ月は、自分に対するベクトルが向いていた2ヶ月でした。残りのインターン期間は、そのベクトルを未来や地域に向け、作りたい未来像を磨く時間にしたいです。

来週からは、種子島や沖永良部島など鹿児島離島への出張に同行させて頂くことも増えてくるので、甑島の外で吸収した学びや刺激を日々の業務に落とし込みながら、在りたい自分で自分の思考や言葉、できることを深めていきます。

岡田 栞那 プロフィール
愛媛県の沖合に浮かぶ人口約2000人の島「中島」の有機農家のもとに生まれ育ち、外国人技能実習生の受け入れに関わる中で現状の体制に課題感を持つ。現在は、「島全体として技能実習生を受け入れ、彼らを巻き込んだまちづくりの事業を立ち上げたい」というのが目標。2024年春の鹿児島離島文化経済圏主催の「離島を体感するかご島インターン」をきっかけに甑島へ。island companyが描いている未来を一緒に創りたい、もっとこの人たちが考えていることを知りたいと思い、2024年6月より4ヶ月のインターンをスタート。

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