REPORT 2024.07.21

island company インターン奮闘記 #05

今週は『おてつたび』で2週間、一緒に働いた城さんのお見送りをしました。自分が誰かの『島立ち』を送り出す側になる日が来るなんて、と少し不思議な気持ちになりました。

最近、島の居酒屋さんに行ったらお店の人が私のことを覚えてくれていたり、車ですれ違ったら島の子どもたちが手を振ってくれたり、島の中でisland companyのメンバー以外で私を認識してくれる人が少しずつ増えてきて、「私この島に暮らしているんだなぁ」と心がポカポカします。

「外から来た僕たちだからこそできることを何かつくらない?」と城さんから提案があったのが10日ほど前のこと。私自身この会社に貢献できることを模索していた最中ということもあり、二つ返事でプロジェクトが密かにスタートしました。“外から来た自分たちだからこそ”のアイデアを色々と出していく中で、島の人にとっては当たり前だけど、甑島ならではのユニークさや豊かさは外から来た人だからこそ見つけられるのではと思い、島の驚きポイントを集めた図鑑『こしきのオドロキ』をつくることに。二人で構成や文章を考えながら、最終的にデザイナーの城さんが形にしてくれました。島に来た人が自分で写真を撮って、私たちがつくったシートにタイトルや驚きポイントを書き込み、それらをどんどん貯めていってもらうという、みんなでつくる図鑑です。

そして休みの日に完成した冊子とチェキをもって甑島列島を巡り、自分たちが見つけた驚きを写真に収めました。

中甑のメインストリートにあるツタに覆われた病院、Googleマップにも載っていない超隠れ家カフェ(最終的に、歩いていた島のおばあちゃんに聞いて辿り着けました)、今回は場所が多めになったけれど、人や体験など様々な島の魅力を一つ一つフィルムに納めていく過程がすごく楽しくて、甑島で出会うものに向き合う密度がぐっと濃くなった気がしました。

先週の視察の時には近くまで行けなかった瀬々野浦の旧西山小学校にも訪れました。

「こんな生きてる廃校は見たことない!」と思うくらいレンガ調の校舎はまだまだ綺麗で、校庭の芝生もイキイキとしていました。集落を見下ろすように建つこの学校が瀬々野浦を見守っているようでした。もちろんこの景色も『こしきのオドロキ』に。

この『こしきのオドロキ』を通じて少しだけでもisland companyに何か提供できていたら嬉しいし、その第一歩になったかなと思います。2月に参加したかご島インターンで、橋口邸のリノベーションのアイデアを考えるという課題に対して、島の外から来た人が撮った写真を島に残し、島の人に見てもらうというアイデアをプレゼンしました。それがこんな形で実現できるとは思っておらず、ここで伏線回収ができました。

宿泊のゲストさんにもご覧いただけるよう『こしきのオドロキ』は、FUJIYA HOSTELの一角に置きました。つい先日のゲストさんは、「夕焼けビールツアー」の一コマをチェキに収めてくださいました。こうやって甑島を訪れた人のオドロキが少しずつ溜まっていくのがすごく楽しみです。

「自分の作った料理で誰かをおもてなししたい」と前回の奮闘記に書いたこともあり、今週はFUJIYAの夕食に入り、教えて頂きながらお客様に提供する料理を作りました。

盛り付けのセンスはまだないし、全然スムーズに調理や提供はできないけれど、自分が作った料理を出してお客さんが「わぁ!」とリアクションしてくださったり、「美味しい」と言ってくださると本当に嬉しいです。

自分のできなさに直面する度に情けなくなったり目を背けたくなったりしますが、自分の“できない”を知れることは、とても幸せなことです。FUJIYAの夕食に入って3人分の料理を同時進行で作ることが全くできず、「わ~私全然できんやん」とその時は落ち込みましたが、こうやって自分のできなさをどれだけ認識できているかで自分の伸びしろが決まると思っています。今までは、“できるできないではなくやるかやらないか”マインドで自分のやりたいことを好き勝手にやっていました。一方でここでは、会社という既存の組織の中に入り、その中で求められていることに対しての自分のパフォーマンスをアウトプットし、その結果や評価がダイレクトに返ってくる環境です。自分にとっては今までとは矢印の方向が違い、非常にストレッチな環境ですが、だからこそ、愚直に向き合い続け、着実に「できる」を積み上げていきたいです。

Photo by @tojoedesign / 城智史

岡田 栞那 プロフィール
愛媛県の沖合に浮かぶ人口約2000人の島「中島」の有機農家のもとに生まれ育ち、外国人技能実習生の受け入れに関わる中で現状の体制に課題感を持つ。現在は、「島全体として技能実習生を受け入れ、彼らを巻き込んだまちづくりの事業を立ち上げたい」というのが目標。2024年春の鹿児島離島文化経済圏主催の「離島を体感するかご島インターン」をきっかけに甑島へ。island companyが描いている未来を一緒に創りたい、もっとこの人たちが考えていることを知りたいと思い、2024年6月より4ヶ月のインターンをスタート。

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