お知らせ 求人情報 2024.01.27

甑島のおいしい風景をつくる。朝を準備するとうふ職人を募集。

甑島のおいしい風景をつくりたい

そんな想いで、2013年に築100年を超える古民家を改修して島に新しいとうふ屋を開業。それは、代々続く家業の後継ぎではなく、まったくゼロからの挑戦でした。

island company が古民家再生を初めて手がけた山下商店甑島本店は、今年で創業12年。九州産大豆フクユタカにこだわった濃厚なとうふをつくってます。現在では、とうふに限らず、島の素材を使ったさまざまな加工品づくりにも取り組んでいます。

今回は、とうふの製造をはじめ、食品の加工製造に携わる人を募集します。食への興味や食品製造・加工の経験があるに越したことはありませんが、経験は問いません。

誰かのために働く、働く大人の背中

今思い返すと、実家の二軒両隣にあった小さなとうふ屋さんにボウルや笊を持って出来立てのとうふを買いにいくのがこどもの頃の原体験でした。朝6時になると、眠たい目をこすりながら、薄暗い集落をよく歩いたものです。

雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も、来る日も来る日も、立ち込める湯気の中でもくもくと豆腐を作っている姿が記憶に残っています。冷蔵庫がまだ普及していない頃、朝ごはんに食べる豆腐は、その日の朝につくったものを食べるのが日本の食卓でした。早起きをするなかで、とうふ屋さんは、誰かの朝を準備するために、誰よりも早起きしていることを知りました。幼少期に見た誰かのために働くとうふ屋さんでの風景を、島の日常をこれからも残していきたいと、2012年に山下商店甑島本店を創業しました。


午前3時、とうふ屋の朝がはじまる

静まり返った集落に明かりが灯り、とうふ屋の1日がはじまります。

前日に仕込んだ大豆を機械へ投入し、豆乳とおからへと分けていきます。絞った豆乳に、にがりを打ちますが、にがりを打つタイミングはその日の気温や、豆乳の状態にもより変わります。仕上がった豆乳を撹拌すると、たちまち固まります。

柔らかいうちに、おたまですくって寄せとうふが完成。山下商店店頭でも人気の寄せとうふは、大豆本来の濃厚さと甘みが味わえます。

濃厚寄せとうふの三種盛り

その後、絹豆富と木綿豆富をつくります。圧をかける機械にかけて、じっくりと水分を抜いていきます。出来上がった大きなとうふは、ひとつひとつ丁寧に手作業でカットし、パックに詰めていきます。

同時進行で、揚げの製造も進みます。大豆油で揚げることで、大豆由来の旨みをとじ込めます。島内の飲食店へも卸しており、祝祭日や行事の前には、集落の方からたくさんの注文をいただきます。

製造が終わったら、肝心の掃除へ。とうふ作りと同様、工場の清掃もとても労力がかかりますが、とても大切な仕事です。大きな釜や作業台もすべて手作業で隅々まで磨きあげます。仕上げに、製造中に飛び散った豆乳やとうふがついた床を高圧洗浄機を使ってしっかりと洗い流していきます。

湿度と温度の高い環境でのとうふ工場で、職人たちは汗だくになりながら、手早く作業を進めていきます。朝も早く、体力勝負のとうふ製造。何よりも自己管理が求められる仕事です。

島の日常をつくる

週に3⽇はトーフのラッパの⾳色を吹かせ、集落を巡ります。毎週、同じ時間に同じ場所で、一丁一丁手渡しでとうふを届けます。

ラッパを吹く前からとうふを待つ姿もありました。それは、むかし水を汲みに奥さんたちが集まっていた井戸端会議の風景のようです。

ときどき、配達先のお家で雨が降り出した時には洗濯物の取り込みを手伝ったり、電球を変えたりと痒い所に手が届く、ちょっとしたお手伝いをするときもあります。一方で配達にいったはずが、芋ふかしたから食べない?大根がいっぱいあるから持っていきなさい!とお裾分けがあることもしばしば。

「週に1回の楽しみよ」と待ってくださる方のもとへ出向き、世間話をしたり、お裾分けをいただいたりと顔が見える関係性で自分たちのつくったものを届ける配達は、島の暮らしに溶け込んでいる仕事とも言えます。

KYT news every.かごしま 7月18日OA

とうふ屋は朝を準備する職人だ

今、特に都市部では、早起きして出来立てのとうふを買い求め、自分や家族のためにごはんを炊いて、お味噌汁をつくって、魚を焼いて、おつけものを用意して、1丁のおとうふを添えて…そんな風に朝ごはんをつくることができるような、ゆっくりとした朝を迎えることがとても難しいような慌ただしい時間があります。

そこで、山下商店では、朝を準備する職人であるとうふ屋さんとして、誰もが健康的で豊かな朝を迎えて欲しいという気持ちから「とうふ屋さんの大豆バター」をつくっています。

動物性油脂を一切使用せず、植物性のものだけを原材料に選び、丁寧に練り上げていきます。そして、とうふを1丁1丁手作りするように、このとうふ屋さんの大豆バターも1つ1つ手作りで瓶詰めしています。ただひたすらに丁寧に、丁寧に。シンプルな素材だからこそ、少しの変化に気が抜けません。

島の素材をつかった加工品づくり

さらに、山下商店では、とうふの製造だけでなく、島の素材をつかった加工品づくりにも取り組んでいます。加工品の製造にも関わる機会もあります。

甑島の海の幸であるきびなごを加工した「漁師印のキビーニャカウダ」や、山の幸である柑橘をつかったクラフトシロップを作っています。

甑島で育まれる海の幸、山の幸を届けていく。甑島の風景を守っていくためのものづくりに取り組んでいます。

大切なものを守り、育てる

山下商店甑島本店創業後、2018年には元船宿を継承し、「FUJIYA HOSTEL」としてリニューアルオープン。2022年には、築150年を超える武家屋敷を改築し「オソノベーカリー」を開業しました。とうふ屋、パン屋、カフェ・レストラン、宿の運営や、食品の加工製造、通販など、事業を拡大している山下商店。

根底にあるのは、暮らしの場の再生を通して、島にある大切なものを守り、育てていくという想いです。さまざまな事業を展開しているからこそ、働き続けるなかで、あなたらしい働き方をつくっていける。そんな環境がここにはあります。

山下商店甑島本店オンラインストア
https://shop.island-ecs.jp/
山下商店甑島本店Instagram
https://www.instagram.com/yamashita.st/
island company HP(東シナ海の小さな島ブランド株式会社)
https://island-ecs.jp/

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