お知らせ COLUMN 社長コラム 2023.10.07

玉石垣という甑島の宝物は、次の時代への贈りもの。

朝から台風で崩れていたniclassの玉石垣を積み直し。今では、甑島の玉石垣を組むことのできる数少ないひとりとなった父。その技術は、祖父である山下正雪と平嶺時彦、そして家内の北薗浅彦を師匠として、父へと伝えられてきた。

父「おいどがとーきゃぁー、だいもこがんして教えてくれんやったど」とぼやきながらも、こうして父からわたしへと3世代以上に渡って繋がった甑島になくてはならない技術。あと何回、父とこうして玉石を積むことができるだろうか。

38歳を目前に、はやく一人前になりたい。

父から学びたいと思えることがあるということは、幸せな事だなと思う。使命を持って向きあえる「玉石垣」という島の宝物は、次の時代への贈りもののようだ。

玉石垣は、祖父が死んだ後も残り、父が死んだ後も残り、私が死んだ後も、この島の日常の風景として残っていくのだろう。誰もが石を積む時代ではなくなったからこそ、この先の世に、地域ビジネスを通じて島の宝をいかに遺していけるか。それは、風景として形式的に遺すだけでなく、積む技術もしっかりと継承していかないと本質的に残して(創って)いくことはますます困難になっていく。

ここにあるものを原点とし、生かし生かされてきた島という生き方。先の世にも必要とされる風景を、誰かではなくわたしたち自身が守っていかねばならないのだと思っているので、限られた時間の中で、体得していく。

近い将来、island companyや島守株式会社の利益は、甑島の未来を支える島づくり基金(ファンド)を立ち上げ、そこに還元していくと決めている。そして、そこから新たな島の風景をつくる若者たちを中心に、島の暮らしと未来を育てる数々のプロジェクトが誕生していくことになるだろう。

私は、そんな夢を本気で想っているー

書いた人

山下 賢太

代表取締役

山下 賢太/ KENTA Yamashita

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