誰かの朝を迎えるために

島の食卓

2013年08月07日

IMG_1040

午前3時、島のこどもたちがまだ眠る頃。
誰かの朝を迎えるために私たちの一日は少しだけ早くはじまります。

2856566_2013-06-30_00-59-37_IMG_0834

九州産の丸大豆(フクユタカ)を使用。

2856568_2013-06-30_00-59-41_IMG_0856

豆腐づくりの機械化も進んだとはいえ、うちの工房はまだまだ手作り。その日その日で変化していく気温や水温、湿度、大豆の水分量に合わせて毎日の豆腐づくりが変わります。豆腐は生きています。私たちにはまだまだ経験が必要です。

2856569_2013-06-30_00-59-45_IMG_0867

製造の過程で一日に3枚から5枚程度しかとれない濃厚湯葉もあります。

IMG_0994

立ち上る熱気のなかで豆腐づくりは続きます。豆乳の温度は、最高96℃まで上昇。そのため工房内の温度はいつも30℃を超えています。明け方5時を回る頃、次々に豆乳が出来上がり作業はさらに忙しくなります。

IMG_1182

豆乳に海水にがりを打って待つこと25分。プレスして豆腐に圧をかけて成形していきます。できあがりはいつも緊張の瞬間。まだまだ失敗も多い日々です。できあがった真白の豆腐をゆっくりと大きな包丁で切り、水槽に返します。うまくいったとき、とてもうれしいひとときです。

IMG_1126

ひとつひとつ丁寧にパックして冷却水槽の中につけます。24時間、一定の水温で管理されているため菌の増殖を防ぎます。それは、安心で安全なものを口にしてもらうための私たちのこだわりのひとつでもあります。

IMG_1059

その他にも・・・濃厚よせ豆腐、濃厚ざる豆腐、厚揚げ、うすあげなどがあります。

IMG_0737

お店の開店時間は6時。

最近は、夜があけるのが早くなるにつれて6時、5時半、5時と、豆腐はまだね?とお客様が訪ねていらっしゃいます。甑島は夜中に出港する漁師さんが多く、奥様方が旦那さんの朝食を準備されているんですね。漁師の家族も朝が早いようです。

2856583_2013-06-30_01-00-37_IMG_1142

店内の様子はこんな感じです。甑島の様々な商品もあります。おからによく合う下甑島の玉ねぎドレスソースやいちき串木野市の吉村醸造の濃口醤油が人気です。

IMG_1149

その他にも大漁旗でつくったハンドメイドの前掛けやポストカード、海上天日干しのひものなどここにしかない商品やここから生まれた商品があります。商品数はまだまだ少ないですが、本物の Made in Koshiki islands のおみやげに出会えるのはここだと思います。

2856581_2013-06-30_01-00-28_IMG_1134

島の皆さんはそれぞれお気に入りの手提げ、かご、ボウルなどを持って買い物にきてくださいます。工房のなかにいてお客様の顔が見えないときもイレモノをみると誰だかわかります。顔は見えなくてもお客様の顔が浮かぶ、そんな豆腐やです。

IMG_8302

私たちのお昼ご飯。

いつも12時をまわって14時とか15時になることもしばしば。お客様のお昼ご飯に冷や奴が並ぶようにわたしたちは、おなかをすかせながら働いています。ときどき近所のおばさんたちがお裾分けをもってきてくれるのがとってもうれしいお昼ドキです。

IMG_5174

そうした、なんでもない私たちの一日ですが、だれかの幸せの食卓のために働けることの喜びはとてつもなく大きいです。ありがとう。おいしかったよ。なんでもない一言で私たちは今日も生かされていることを感じます。これからも続く島の日常。どうか、わたしたちの豆腐があなたとあなたの家族をつないでいく、集落と集落をつないでいくそんな豆腐であることを願って私たちは今日も仕込みを終えて眠りにつきます。

20年後にある未来。
そこにあるふつうの風景になりたくて。

ヤマシタケンタ

ヤマシタケンタ

1985年鹿児島県上甑島生まれ。JRA日本中央競馬会競馬学校を中退したのち、キビナゴ漁船の乗組員を経て京都造形芸術大学環境デザイン学科地域デザインコース専攻。故郷をもっと好きになりたくて島に帰る。東シナ海の小さな島ブランド株式会社の代表取締役兼百姓を務める。

最近の記事

HOME > 島の食卓 > 誰かの朝を迎えるために