それでも僕らは本物をつくる

おいしい風景

2014年03月09日

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価値とは、ブランドとは。

会社の名前にも「ブランド」の文字が入る 東シナ海の小さな島ブランド株式会社(通称=island company)ですが、私たちの考える価値とはなにか。来年度 スタッフ総動員Bダッシュ をするべく、もやもやしていたisland companyの方向性を、改めてスタッフと共有していきたいそんな今日この頃、代表ヤマシタです。

さて、4月の消費税8%を控えて、多くの会社やお店が価格の見直しを発表しています。

私たちの運営する山下商店でも”とうふ”の値上げを検討しています。スーパーなどの量販店では、豆腐一丁70円・80円というのは当たり前の価格帯になりましたが、私たちのとうふは150円から320円と、それらと比較すると2倍3倍以上の価格です。そんな、価格競争の影で地域に根付いた全国のとうふ屋さんから、ひとつ、またひとつと生業の灯火が消えています。

それが意味するのは、ひとつに、つくる側だけでなく売る側にも買う側にも、それぞれの信念が問われているということの裏返しだと思います。

そんな2012年5月、私たちは人口減少時代の最先端?ともいえる過疎が急激に進む離島に小さなとうふ屋さんを開業しました。できることなら、これからもとうふはシンプルに命とこころを満たすものであって欲しいと思います。しかし、ふるさとの未来を考えるとき、ただの豆腐は、価格以上の「なにか」と命をつなぐ食べものとしての価値以上の「なにか」がそれ以上に求められているような気がしています。

原材料や売り方ににこだわり、低コスト、低価格を重視しない私たちのやりかたは、時代の大きな流れとは逆行しています。そこにあるのは、大豆本来の味や香りを味わって欲しい。本物のとうふを食べて欲しい。そんな、シンプルな想いです。こうして私たちは生産する側でもありますが、販売する側でもあるので、モノの価値がどこにあるかを見極めてお客さんと対話しなければならないときがあります。

価格というものは、言い換えると、そのモノの価値を表す指標です。

ですから、価格はただ安いだけではダメで、自分たちの価値が社会のどこにあり、その価値とお客様がどのようにつながっているか。消費税増税にあわせて、そのことを改めて考える必要があると思うのです。

オープンから1年近くが経過し、今ではずいぶんと一日の仕事は落ち着いてきました。そんな山下商店がオープンして間もない2ヶ月が過ぎたときのこと・・・このタイミングかよ!!っと突っ込みたくなる出来事・・・そう、原材料の高騰がおきました。わたし、持ってます(笑)本田圭佑バリに持ってます。おかげで、原料・材料のコストがおよそ2割増しになり、それから今 日 ま で 8 ヶ 月 間 耐 え 忍 ん で お り ま す (笑)

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良い原料を使用し、素材本来の良さをいかして商品をつくる。そんな僕らの本物を売り出すには、やはり150円、210円という価格は決して高くはないのだと今ごろになって、実感しています。

それは、毎朝のように、自前の容器を持ってとうふを買いにきてくださるみなさん。来る日も来る日もお店に通っていただける皆さん。行商先で私たちを待ってくれている皆さん、私たちの取り組みを応援して下さる多くの皆さんに教えてもらいました。4月から山下商店は、増税分とちょっと、値上げします。

これまで通り、安さで勝負することはできませんが、今日もおいしいね。と言ってもらえるよう、僕らは、今日も明日もあさっても、笑顔で本物のとうふ作りに励みます。

ヤマシタケンタ

ヤマシタケンタ

1985年鹿児島県上甑島生まれ。JRA日本中央競馬会競馬学校を中退したのち、キビナゴ漁船の乗組員を経て京都造形芸術大学環境デザイン学科地域デザインコース専攻。故郷をもっと好きになりたくて島に帰る。東シナ海の小さな島ブランド株式会社の代表取締役兼百姓を務める。

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