冬のしたく

島に生きるひと

2011年08月18日

Back Camera

この部屋にはアリがよく訪れるんだけど、どこかにアリの巣でもあるのだろうか。ずかずかと私の作業スペースに入り込み、今日もMacの横で行列をつくっている。彼らは彼らにしかわからない匂い?を出しているらしいが、そんなもの僕には見えない。

気がつくと、朝から読もうと思っていた「幸福をみつめるコピー」の上に何のコトワリもなく通り道をつくる。彼らは、今日も自分に与えられた仕事をしている。

冬に向けての準備をしている。
この暑い夏からずっと、冬に向けて準備をしている。

僕らは、いつだって準備をしている。

アリが冬に向けて準備をするように、僕らはいつだって準備をしている。

老後の心配をしている者もいれば、受験勉強で塾に通う若者、就職活動で路頭に迷う学生、あるいは恋をして、結婚をして、葬式の準備をする。僕らは、いつだって未来への準備をしている。今日も明日もあさっても、ずかずかと私のところへやってきては、見えないものを頼りにせっせと働いている一生懸命なアリたち。そんなアリを眺めて、自分のことをぼんやり考えた。

ヤマシタケンタ

ヤマシタケンタ

1985年鹿児島県上甑島生まれ。JRA日本中央競馬会競馬学校を中退したのち、キビナゴ漁船の乗組員を経て京都造形芸術大学環境デザイン学科地域デザインコース専攻。故郷をもっと好きになりたくて島に帰る。東シナ海の小さな島ブランド株式会社の代表取締役兼百姓を務める。

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